更年期と生活習慣病の関係性

「更年期と生活習慣病の関係性」のイメージ画像

みなさんは更年期になると生活習慣病になりやすいことをご存じでしょうか?
更年期には、更年期障害とあわせて生活習慣病にも注意を払う必要があるのでご紹介します。
実は男性と女性とでは、生活習慣病の原因や発症の仕方が異なります。そこには、更年期と女性ホルモンが関係しています。
では、女性の生活習慣病について詳しくご説明します。

閉経と生活習慣病

30代、40代の女性で生活習慣病になる方はそう多くはありません。
しかし、50代になると急激に生活習慣病になる方が増えてきます。
これはエストロゲンが減少することが原因です。
エストロゲンは動脈硬化や高脂血症、尿酸の生成や脂質代謝の異常や内臓脂肪の蓄積などの生活習慣病につながるさまざまな原因を抑制する作用を持っているとされています。
つまり、平均閉経年齢である50歳前後にエストロゲンの分泌量が減少することで、生活習慣病の原因を抑制する働きが緩くなってしまい、急激にリスクが上がってしまうのです。

生活習慣病の症状

閉経後に生活習慣病になりやすい、ということはお分かりいただけたかと思いますが、だからといって全員が生活習慣病になってしまうわけではありません。
では女性がなりやすい生活習慣病の症状について見てみましょう。

まず、目立ってくるのが肥満です。
エストロゲンには、女性らしい体つき(丸みを帯びた体型)にするための脂肪蓄積作用と、脂肪量が過剰にならないように抑制する働きと、食欲を抑制する作用もあわせもっています。
エストロゲンによって増えた脂肪から「レプチン」というホルモンが分泌され、脳の摂食中枢に対して、「お腹が空いた」「お腹がいっぱい」などの信号を送ることで、脂肪の増殖を抑えることができます。
しかし、更年期でエストロゲンの分泌が減少することで、レプチンの分泌量が減少してしまうことで脂肪が蓄積されてしまい、メタボリックシンドロームと診断されてしまいます。

肥満のつぎにあらわれやすいのが、高血圧です。
一般的に女性は、同じ男性の年齢と比べても血圧が低いことが知られています。
そのため、低血圧の女性は高血圧の心配はない、と思っていませんか?
実は、閉経期を迎えて初めて高血圧になるという事例が少なくはありません。
エストロゲンには血管拡張作用があり、血管が拡張すると血管の抵抗が少なくなるため、血圧が低下します。言い換えれば、閉経後にはエストロゲンが減少してしまうため、血管の拡張が弱まり、抵抗が多くなり血圧が上がってしまうのです。

このように更年期には更年期障害だけでなく、生活習慣病にも注意が必要です。
いずれは閉経してしまうため、どうしてもこのような状態に陥りやすいですが、ホルモンの補充ができる医薬品を使用するなど対策方法を知っておくことで予防に努めることができます。